地元の人たちも ほとんど知らない、諏訪湖の弁天さま
かつて諏訪湖には、現在の釜口水門近くに弁天島があり、
そこには天河神社からやって来た弁天さまがいらっしゃいました。
江戸時代に描かれた葛飾北斎の『富嶽三十六景・信州諏訪湖』には、
遠くに富士山、高島城を望み、一番手前中央に弁天さまの祠のある弁天島が描かれています。
ところがこの弁天島は、諏訪盆地を水害から守るため、
慶応4年(明治元年)に掘削され消滅してしまったのです。
弁天さまの社は釜口水門近くにある御社宮司神社(岡谷市湖畔1-26-7)に移されましたが、
肝心の弁天さまは放浪の旅に出られたと言われています。
私たちは、旅立たれた諏訪湖の弁天さまが、さすらいの旅を終え、
再び諏訪湖に戻られることを心から願っています。
『富嶽三十六景・信州諏訪湖』 葛飾北斎
弁天島のある諏訪の地図 田中阿歌麿著『諏訪湖の研究』より