弁天さま

弁天さまは水を司る女性の仏様

  天河大弁財天社に祀られている日輪弁財天像 

 弁財天は、仏教の守護神である天部の1つで、
 ヒンドゥー教の女神であるサラスヴァティー(Sarasvatī/聖なる河の名を表すサンスクリット語)が、
 仏教あるいは神道に取り込まれた呼び名です。

 元来、古代インドの河神ですが、河の流れる音や河畔の祭祀での賛歌から、
 言葉を司る女神ヴァーチェと同一視され、
 音楽神、福徳神、学芸神、戦勝神など幅広い性格をもつに至りました。

 像容は8臂像と2臂像の2つに大別されます。

 経典に準拠した漢字表記は「弁財天」ですが、
 日本では後に財宝神としての性格が付与され、
 「財」が「才」の音に通じることから、「弁才天」と表記する場合もあります。

 本来、仏教の尊格ですが、
 日本では日本神話に登場する宗像三女神の一柱である、市杵嶋姫命(いちきしまひめ)と
 同一視されることも多く、
 また江戸時代には「七福神」の一員として宝船に乗り、縁起物にもなっています。

 江戸時代に、十二支の蛇、すなわち”巳”の日に弁財天の守り札が出され、
 その霊験あらたかなことが大いに宣伝されたために、弁財天信仰が民間に広まり、
 以来、巳の日は弁財天の縁日となっています。

弁天様のご利益

 神奈川・鎌倉の銭洗い弁天では、
 弁天を祀る洞窟の涌き水でお金を洗うと、お金が増えると言われています。
 東京・上野の不忍弁天では、
 財布に入れておくだけで金銭に不自由しないといわれる「巳成金」というお守りに
 人気が集まっています。

 歌手になりたい、雄弁家になりたいという人は、
 印呪(いんじゅ)を常に結び誦すれば、
 弁財天の助けによって、それがかなうと言われています。